こんにちは、本日の書籍感想は「コンテンツ別 ウェブサイトの著作権Q&A 雪丸真吾/福一航介/宮澤真志 編」についてです。
ブログやSNSを運営する上で避けては通れない問題である「著作権」。これってどうなの?って思うことはたくさんあると思います。もちろんGoogle先生で検索をすれば、色んなサイトが出てきて、わかりやす〜く解説をしてくれています。
|
一方で、本書は、どちらかというと本職である弁護士の先生が、法律の条文や裁判例をもとに解説したものであるため、とっつきやすさではググったら出てくるような解説サイトに及びませんが、その代わり、しっかりとした理解を深めるには良い本だという印象を受けました。
なお筆者は法律に関する専門家ではないことをご了承ください。
「コンテンツ別 ウェブサイトの著作権Q&A」 の構成
まず本書の構成としては以下の通りとなります(この本を読んだ後だと、こうした要約も翻案に該当してないかドキドキしますが、流石にこれは該当しないと思っています)。ちなみにこのブログで使っている上のような画像は基本的にはPixabay様から持ってきています。
- 前半において、著作権法、肖像権、パブリシティ権、プライバシー権、名誉毀損といったブログやSNSで話題になりやすい、法律知識において教科書的に解説。法律の条文や裁判例で示された基準を、適宜抜粋しつつ、初学者にも理解しやすいような順序でQ&A形式で解説をされていました。著作権法などの条文はググれば出てくるので、参照しながら読むことでより理解を深めることができると思います。よくネットで出てくる解説サイトはこのあたりの基礎知識部分は置いておいて「結論としてどうすれば良いか」から入っているため、逆に基礎知識部分もしっかりと身につけたい人にはオススメ。
- 後半において、動画、画像、文章の別に、よく疑問となる話について解説がされている。例えば、ブログへの書籍等の引用については出所明示の方法も含めて詳細に解説されている印象。その他、ネタバレってどうなの、アイコン画像ってどうしたらいいの、SNSと名誉毀損といったよく聞く話題についてもQ&A形式で解説されています。かなり充実している印象。大抵の話題については網羅されているんではないでしょうか。
- 巻末には、ブログのコメント欄や掲示板に書き込まれた内容に関する削除請求や発信者情報開示請求の書式が付されています。この段階まで来るとひとりで対応できるかも不安ではありますが…あと、こうした場合に備えるブログの利用規約の書き方のポイントは参考になりました(このブログの利用規約は私が色んなサイトを参考にしつつ、独自にカスタマイズしているので、コピペしても責任は負えません。というかコピペはできれば避けていただいほうが良いかと)。
学生向けの法律書は、学説や理論の解説に力が入っていることが多い印象がある一方で、本書はさすが実務家である弁護士が書いた本、実務の疑問を切り口に解説されているのは非常に実用的であると思いました。
「コンテンツ別 ウェブサイトの著作権Q&A 」の使い方
結構、網羅的、かつ専門的なところがあるので、一読して全てを習得するのは難しいと思います。
本書の使い方としては、以下のようにするのが良いと思います。大切なのは2番目、私のような素人は専門的なところの判断は厳しいので、とにかくアンテナと嗅覚を鍛えるのが大切だと思っています。
- まず、一通り理解をしながら通読をする(暗記は諦める)。
- 通読をすることで最低限「こういうことをすると危ない」というアンテナや嗅覚を養う。
- アンテナをはることで、何かをやろうとするときに、「あれ、これ大丈夫だっけ」と思い至る(ここが重要)。
- このときにもう一度本書に戻ってきて、当てはまる箇所を熟読する。
一番怖いのは知らずのうちにルール違反をしてしまうこと。だから「これ危なそうだな」という自分の中の危機察知能力を鍛えることこそが素人にできる防衛策。そういった意味で書籍を読むことは役に立つと思っています。
併せて読むことで勉強になるかもしれないサイト
個人の主観で、併せて読むことで勉強になるかもしれないサイトを載せておきます。
- 公益社団法人著作権情報センターHP 著作権法条文
https://www.cric.or.jp/db/domestic/a1_index.html
六法を買わなくても著作権法の条文を読むことができます。
- 文化庁 著作権テキスト〜初めて学ぶ人のために〜2019年度
https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/seidokaisetsu/pdf/r1392388_01.pdf
基礎用語の理解に。1〜40頁あたりが良さげ。
- 裁判所 HPの裁判例検索
https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/search1
すべての裁判例を読むことはできないが、有名な裁判例であれば判決文が載っていることがある。条文に関する裁判所の解釈を知りたい方向けに(多分ここまで行くならば、別の専門書を買って勉強する方が早そう)。
- 楽天アフィリエイトのガイドライン
https://affiliate.rakuten.co.jp/know-how/headsup/?l-id=affiliate_PC_top_regular_a11
著作権法とは離れますが、薬機法や景表法関連で、商品紹介をするときに書いてはいけない表現の解説。結構わかりやすいと思います。割とこれもダメなのか!というものもあるので、私も気をつけたいと思います。。。
まとめ
読めば読むほど、法律の話ってのは難しいものですが、こういう発信をしている身としては避けては通れない話題です。
こうした著作権法以外にも、レビュー系であれば、電波法や関税法なども気をつけないといけません。一番怖いのは。こんな法律あるんだ!と知らないうちに、法律違反をしている状態を発信してしまうこと。このような事態を避けるためにも、常にアンテナを張りつつ、この情報は発信して大丈夫か?と自分の中でのブレーキを増やしていきたいと思います。