どうもこんにちは、引き続きChatGPTで遊ばせてもらっています。こんな面白いものをが無料で遊べちまうなんてすごい世の中になったもんだ、と思います。前回はChatGPTに英語の先生になってもらって、ライティングの添削をしてもらうという記事を書きました。
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参考【AIすげえ】話題のChatGPTに英語の先生になってもらいました
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この記事が(このブログにしては)そこそこアクセスされた記事でして、みなさん意外とChatGPTについて検索してるんだなあ、と思いました。反面Twitterとかではもうあんまり話題にされていないようなので、もう流行は終わったのかな?とも思います。かくいう私は引き続きChatGPTで遊んでいまして、今はショート小説を書いてもらおうと試行錯誤しています。
今回はその試行錯誤の一部をまとめた個人的なメモのようなものです(まとめておかないと忘れる)。
ChatGPTを使ってショート小説を書こうとしている背景的な何か
まず最初にこの記事は「Chat GPTですごい小説が書ける!」みたいな役立つハウツーを提供するものではありません。そもそもChatGPTって小説を書くためのAIじゃなくて質問に答えてくれるAIなんですよね。だから、ChatGPTを小説の執筆に使うこと自体がそもそも間違っているかもしれません。小説を書くAIなら他にもあると思うので、ちゃんとした情報が知りたい人は、他のサイトに行ってもらうのが良いと思います。
あと、ショート小説といえば星新一ですが、私はこれまで恥ずかしながら星新一を読んだことがありませんでした。今回この遊びをするにあたって初めて読んだ次第です。つまり、ショート小説の読み手としてもド素人の人間が書いた記事であることをご承知おきください。
ChatGPTに小説を書いてもらうにあたって考えたこと
ここからが本題なのですが、ChatGPTに対して「500文字くらいの小説書いて」って言っても多分望むような小説は出てこないかもしれません(出てくるかもしれない)。何となく中身がありそうで中身がない小説が出てきそうです。ですので、私の場合、いきなり小説を書けという指示を出すのではなく、いくつかステップを踏んで小説の執筆を指示するようにしてみました。参考にした資料は以下のとおり。
▼とりあえずショート小説と言えば星新一でしょう、ということで以下の短編集に収録されているショートショートをいくつか読みました。構成や傾向を探ってみるのが狙いです。が、あんまりうまく分析できなかったので、ネットで読める範囲で、学生の方が書いている星新一のショートショートの構成の分析の論文を拝見しました。
▼タイトルに惹かれて購入しました。1,000文字以下のショート小説のテンプレートがいくつか記載されています。今回、私はこれの葛藤についてそのまま使わせて頂きました。
▼改訂版もあるみたいです。
実際にChatGPTに入力した文章とその順番など
それでは実際にChatGPTに入力した文章をご紹介していきます。
キーとなるガジェットや道具を決める
まず最初に入力したのは以下の文章。キーとなる道具を決める、というのは何かの小説指南本で見た切り口でした。これに限らず、物語の中でキーとなる部分からAIと相談していくのが良さそうです。
入力した文章
ディストピアの世界にある、実在しない、科学技術を用いた不思議で面白い発想のオモチャ・サービスを考えてください。なお、以下の道具は除きます。
・空間を歪めることができる道具
・時間を巻き戻すことができる道具
・念力を使用して物を動かすことができる道具
・他人の思考を読み取ることができる道具
・自分の想像したものを物質化できる道具
ここで気をつけたのは提案されるガジェットをいかに面白いものにするか、です。単純に空想の道具を提案させると、本当に典型的なタイムマシンやワープ装置みたいなものが提案されるので、そういったものは予め除外する言葉を入れています。あとショート小説では「オチ」が重要となってくるので、一見すると便利そうだけど実は別のマイナスの側面を持っている、そういう道具をChatGPTには提案して欲しいです。その意図で「ディストピアの世界の〜」という言葉を入れました。個人的にはこの言葉は必須ではないかと思っています。
出てきたのは以下の文章。
"デジタル・ライフ"というサービスです。
このサービスは、デジタル技術を用いて、あなたの人生をより豊富で楽しいものにすることを目的としています。
例えば、あなたが子どもの頃に憧れたスポーツ選手になったり、有名なミュージシャンになったり、それとも未来の自分との会話を楽しんだりすることができます。
このサービスでは、あなたが想像するあらゆることを、デジタルで再現することができます。
また、デジタル・ライフでは、あなたが憧れる異世界や未来の世界を体験することもできます。
あなたが望むあらゆる世界を、デジタルで再現することで、あなたの人生をより豊富で楽しいものにすることを目指しています。
(OpenAI ChatGPTより)
設定を考えてもらう
次に大まかな設定を考えてもらいます。入力したのは以下の文章。これはまだ改良の余地があると思います。
入力した文章
デジタル・ライフについて、以下の点のアイデアを出してください。
・世界観:時代、背景、技術力を中心に設定してください。
・登場人物を2人設定してください。ひとりは主人公、もうひとりがどういう人物かは任せます。
・主人公が持つ葛藤について考えてください。
最後のポイントの「葛藤」は上記で紹介した「超ショート小説の書き方」から持ってきたテーマです。こういう物語の軸になるテーマに繋がる要素は自分ではなかなか思いつかなかったので、参考になる本を見つけられてよかったです(でも、参考小説はほとんど読まず、テーマとテンプレートの箇所だけ使わせてもらっているので、勿体無い使い方をしていると思う。著者の方ごめんなさい。後できちんと全部読みます)。
出てきたのは以下の文章です。
世界観: ・時代:近未来 ・背景:ディストピア的な社会、科学技術が発達している ・技術力:デジタル技術が高度に発達し、人々がデジタル世界での体験をすることができる
登場人物: ・主人公:青年のジャック ・ひとり目:デジタル・ライフの社長、中年の男性のスティーブ ・ふたり目:デジタル・ライフで働くデザイナー、若い女性のエミリー
主人公が持つ葛藤: ・実際の人生とデジタル世界のバランスを保つこと ・デジタル世界での楽しさと、現実世界での責任のトレードオフ ・デジタル世界での人生を選ぶことが、現実世界での人生を捨てることとなるかの葛藤
(OpenAI ChatGPTより)
テンプレートをもとに小説を書くよう指示を出す
最後にテンプレートの内容をもとに小説を書くように指示を出します。
入力した文章
このアイデアをもとに、以下の文章に沿って、小説を書いてください。○○○とある場所はあなたが文章を考えてください。○○○に書く内容は()の中の指示にしたがってください。
<以下略>
すみません、テンプレートの文章はそのまま載せられないので省略しています。指示の仕方としては、テンプレートの文章を書きつつ、AIに文章を任せたい箇所は○○○と()で指示を具体的に出すところ。テンプレートの文章の穴埋めをAIにやらせる感じですね。
実際にできあがった小説「デジタル・ライフ」
以下出来上がった小説です。題名は「デジタル・ライフ」です(ググったけど同じ小説はなさそう。あったらごめんなさい)。挿絵は文章をDeeplで翻訳してそのままNovelAIに突っ込んで出力しました。
「デジタル・ライフ」(OpenAI ChatGPTより)
本当ならプロのサッカー選手になりたい。 しかし、それはできない。 なぜならば、私は身体能力が足りず、プロのレベルに達することができないからだ。
時間は刻々とすぎていく。私はどうすればいいんだ。 もう一度、子どもの頃の夢を叶えることはできないのだろうか。 私はそう思っていた。
そんな折、私にデジタル・ライフというサービスが紹介された。 デジタル技術を用いて、あなたが想像するあらゆることを再現するというものだ。 私はまず、自分がプロのサッカー選手になることを体験してみたいと思った。
周囲が騒ぎ始めた。 デジタル・ライフのサロンに入ると、そこはまるで別世界のようだった。 デザイナーたちが、私が望むようなサッカー選手のデジタル版を作り上げている。 そのデザインを見て、私は涙を流した。 これであの夢を叶えることができるのだ。
私は決めた。 デジタル・ライフで、自分がプロのサッカー選手になることを体験することにした。 そして、その体験を終えた後も、デジタル・ライフでの人生を選択することを決めた。 私は、現実世界での人生を捨てることにした。 しかし、それでも、私は自分の憧れを叶えることができる。それだけで、この人生は豊富で楽しいものだと思った。
ChatGPTを使って超ショートSF小説を書いた過程の個人的メモ
どんなもんでしょうか。人力には劣るとはいえ、デジタル・ライフというガジェットにのめり込んで最後は人生も捨ててしまう、という後味の悪い感じが出ていると思います。なんてことのない小説なのですが、こうやってオチをつけるまでが大変だったんです。AIってイラストとかでもそうなんですが、一見それっぽい作品を出力できるのですが、それが作品として完結しているかと言われれば結構微妙なんですよね。
その点、この「デジタル・ライフ」は505文字の超ショート小説とはいえ、なんとかオチをつけて完結させることができました。つまり作品として完成させることができたのです。個人的にはこれが大きい。
今後も試行錯誤して文字数を増やしたり、文体を調整したりとしていきたいと思います。目指せ!星新一賞!