どうもこんにちは、今回はとある自伝を読みましたので、その感想の記事となります。
聞いたことがある人は聞いたことがあると思いますが、ハンス・U・ルデル(この記事では、以下ではルーデルと呼びます)、アンサイクロウペディアにうそを言わせなかった男、空の魔王などの異名でネット上で知られる、ルーデル閣下の自伝です。ネット上で度々引用されるご本人の自伝であり、前々からどんな内容なのか気になっていたので読んだ次第です。
急降下爆撃(著:ハンス・U・ルデル 高木真太郎:訳)の感想
初めに断っておきますと、この書籍は第2次世界大戦の話、いわゆる戦争の話となりますが、特にこの記事ではこうした戦争体験に対して何らかの私見を述べたり、真面目な話をしたりするものではありません(要は、不謹慎だ、とか絡んでこないでください、って注意書きです。あと真面目な議論をするつもりもないです。別にこれらを軽視するつもりはありませんが、この記事はそういう話を目的とするものではないのです)。
で、前置きはこのくらいにして、肝心の感想なんですが、あまり期待に沿うものではなかった、というのが率直に感じたところです。まあ、私がこの本に期待していたのって、「ネットにある逸話の原典なのだから、もっと色んな逸話が盛りだくさんなんだろう」みたいなものだったんです。で、読み終わった後でわかったことなんですが、楽しむだけであれば、ネットに書いている記事を読むだけで十分でした。
この本は、本の中で本人も言っているのですが、ルーデル自身が体験したことを率直に書いてあるだけのものでした。ですので、淡々と、ルーデルが体験した戦闘の様子、どこで戦ったか(日本人にとっては馴染みのない地名ばかり出てきます)など、本当に淡々と書いてあるだけですので、正直読んでいて退屈さを感じる場面(どこに転属した、とか)もありました。あまりにも淡々と書いているため、ネットで話題になっているような逸話も本当にぽろっと出てきます。さりげなく、よく考えるとすごいことやってるんじゃないか、みたいなことも本人談である本書では平然と書かれています。こういう、本人は誇示していないやべえ実績が、如何にやべえ実績であるかをわかるように書いてあるネット記事がエンターテイメントして触れるなら面白いんだ、という風に思いました。
誤解してほしくないのですがこの感想は批判的なものではありません。怒らないでくださいね。考えてみれば、この本はルーデルが経験した戦闘などについて書かれたものであるからして、エンターテイメント的な面白さとは無縁なはずなのです。むしろ、戦争のことについて書かれた本であるのに、ワクワクしながら読もうとしていた自分が少し恥ずかしくなりました。ネットで取り上げられているのは、ルーデルのやべえ逸話ばかりですが、こういったやべえ逸話がこの本を構成する割合は1割にも満たないんじゃないでしょうか。むしろ、この本において大部分を占めるのは、日常的に死と隣り合わせの環境、たびかさなる出撃や敵からの攻撃などの出来事の記録、そういったものです。正直にいうと、この本を読むまでは、ルーデルのことを無敵の超人のように思っていたのですが、それ以上に危険な目に遭っていることがわかりました。何度も死にかけている。私は戦争を経験していないので、このような陳腐な感想しか出てきませんが、改めて本書を読んでから振り返りますと、淡々と数々の戦闘について書かれている本書は言葉にし難い凄みと言いますか、よくルーデル生き残ったなという感嘆というか、そういう読後感を味わうものなのでした。面白い、とも、怖い、とも違う、複雑な感情です。
以上が本書の感想となります。忌憚のないものとなっています。繰り返しますが、不謹慎だとか怒ってこないようよろしくお願いいたします。それでは今回はここまでにて。