最近、人生で初めての経験をしました。家にネズミが出たのです。
今までゴキブリなどの害虫が出たことはありましたが、正直なところ、ネズミはそれらとは次元が違いました。今回はネズミとの戦いのために超音波撃退装置を導入し、見事に効果がなかった話となります。
ネズミの不快感はゴキブリとは次元が違う

ネズミの不快感はゴキブリとは次元が違います。何が違うって、やはり相手が「哺乳類」であるという点です。虫ではなく、確かな質量と体温を持った動物が、許可なく家の中に住み着いている。この事実は、想像を絶する不快感と恐怖をもたらします。家の中のどこかにネズミがいる、という意識を持ちながら生活するのはかなりきつい。これだけでも精神的にはまいります。
そして、さらに実害といえるのが、部屋の隅に落ちている糞。これが病気の原因になるかもしれないという衛生的な不安。
かじられた食べ物なんて捨てるしかないし、その辺をネズミが歩いたかと思うと、家の中にある全てが汚く見えてしまいます。
当然、ネズミの侵入経路とおぼしき箇所を工事業者に塞いでもらう手配をしました。しかし、業者が来てくれるまでには数日のタイムラグがあるとのこと。
色々と自分で調べてみて、穴をアルミホイルで塞いでみたのですが、なんと翌日には突破されている始末。朝起きたらアルミホイルの破片が散らばっている光景はこれからの人生においてもトラウマになりかねません。ネズミって、執着心が強い生き物らしく、一度食べ物があるという認識を持たれると、食べ物を処分しても侵入してくるらしいです。実際、私もネズミを見かけてから、貴重なお米やら食べ物は全部捨てましたが、それでも出没しました。
その間、指をくわえて待っているわけにはいきません。少しでも防御を固めるべく、Amazonで対策グッズを探し回りました。
藁にもすがる思いで超音波撃退装置を導入する
そこで私が購入したのが、Amazonで見つけた「超音波ネズミ撃退装置」です。メーカー名はよくわかりません。おそらくバリバリの中国製です。
普段なら中華製のガジェットはあんまり信頼していないのですが、このときは、私の脳内で謎の理論が構築されていました。中国のネズミの方が、日本のネズミよりもなんとなく逞しそうではないか?そんな屈強な中国のネズミを撃退するために作られた装置なら、温室育ち(?)の日本のネズミなんてイチコロに違いない、と。
明らかに中国に失礼なのですが、藁にもすがる思いとはまさにこのことです。人間、追い詰められると正常な判断ができなくなるものです。
届いた商品は、予想通りのプラスチッキーな質感。コンセント(謎にUSB駆動)に挿すと、超音波を発してネズミが嫌がる空間を作り出すという代物です。
使用感は人間にとっても不快
早速、ネズミの気配が濃厚な部屋のコンセントに装置を設置しました。スイッチを入れると、動作していることを示すランプが点灯します。
肝心の音ですが、深いなメトロノームって感じ。なんとなく、意識をするとちょっと気持ち悪くなるような不快な感覚があります。私は玄関先に置いていたから気になりませんでしたが、この機械がある部屋にずっと滞在は気持ち悪くてできないな、と思いました。なんとも言えない気持ち悪さです。

「人間である私ですらこれだけ不快なのだから、ネズミにとっては耐え難い騒音に違いない」
私はそう確信しました。これできっと、ネズミは我が家から退散してくれるはずです。念のための保険として、ダイソーで買った粘着シートも仕掛けておきました。
そして翌日。
ネズミは粘着シートに引っ掛かっていました。なんと超音波撃退装置の目の前です。
「まあ、超音波装置があるからここまで近づくことはないだろうけど。一応、粘着シートも目の前に置いておくか」と、完全に装置の威力を信じ切っての配置でした。
しかし、朝起きて確認してみると、衝撃の光景が広がっていました。
超音波装置が不快な音波を放ち続けているその目の前で、見事にネズミが粘着シートに捕らえられていたのです。
……全然効いてないじゃん。
中国の屈強なネズミを撃退するはずの強力な超音波は、日本のネズミにはBGM程度にしか響かなかったようです。それとも、私の買った個体がハズレだったのでしょうか。あるいは、ネズミが超音波など意に介さない強メンタルを持っていたのでしょうか。
いずれにせよ、「超音波でバリアを張る」という私の作戦は、無残にも失敗に終わりました。
そして、ここからが本当の地獄でした。
「超音波装置があるし、まさか本当にかかるわけがない」と高をくくっていたため、ネズミが捕獲された時の心の準備が全くできていなかったのです。
粘着シートの上で身動きが取れなくなっているネズミ。
哺乳類としての生々しい存在感。
この処理がいかに精神を削る作業であったかは、あまり詳細に書くと皆様の気分を害する恐れがあるため控えますが、一言で言えばトラウマ級の体験でした。
生きたまま捕らえられた生き物を処理する。その重みと感触は、しばらく手のひらに残り続けました。
今回の騒動で学んだことはいくつかあります。
まず、ネズミ対策において「楽をして追い払おう」という考えは甘いということです。
超音波でいなくなってくれれば平和的で最高ですが、現実はそう甘くありませんでした。
また、毒餌(殺鼠剤)を使うという選択肢もありましたが、これには「どこで死ぬかわからない」というリスクがあります。
壁の中や天井裏など、手の届かない場所で死なれてしまい、そこで腐敗が進んでウジが湧いたり悪臭が漂ったりすることこそ、最悪の事態です。
そう考えると、見た目は残酷で処理も精神的にきついですが、確実にその場で捕獲できる「粘着シート」こそが、結局のところ最強の対策なのだと思い知らされました。ただし、とらえる場合は、その後処理も含めて、入念な準備と覚悟をしておくことをおすすめします。